森林バイオマスエネルギーを核として超高齢化社会に対応する集落再生を具現化しているのが、コンパクトタウン「一の橋バイオビレッジ」です。
 
 一の橋集落は、かつて林業・林産業を基幹産業として栄え、1960年には人口約2,000人を有していましたが、林業・林産業の衰退、営林署の統廃合、JRの廃線などにより、急速な人口減少を辿り、2009年では人口が95人、高齢化率51.6%となりました。基幹産業の衰退により商店や学校は全て無くなり、高齢化による買い物や除雪の問題、住宅の老朽化、空き家の増加、コミュニティーの低下などの課題が顕著となっていたことから、一の橋集落の課題が、将来的な下川町全体の課題になるものとして捉え、新産業の創造(経済)、超高齢化対策(社会)、低炭素化(環境)をコンセプトに集落再生を進めてきました。
 
 具体的には、町内でも特に過疎化と高齢化が進んだ一の橋集落に、ハード面では、熱エネルギー自給システムを核として、菌床椎茸栽培を行う特用林産物栽培研究所や集住化住宅などを整備し、ソフト面では、集落再生の担い手を都市部から移住した地域おこし協力隊が担い、地域おこし協力隊を退任した後においても、集落内でNPO法人を立ち上げ、引き続き、一の橋集落の再生に向けた活動をしています。
 
 2022年4月現在では、高齢化率は32.8%(2009年時51.6%)まで低下し、新しい人の流れが生まれています。